首(前後)の筋肉をストレッチする方法

ランナーを怪我から守るコンディショニング&トレーニングの専門家の奥野です。

まだ肌寒さが残る日もありますが、春が着実に近づいてきていますね。
春といえば旅立ちの季節です。

実業団チームと関わっていると毎年、引退する選手がいます。
今年も指導してきた数名の選手たちがユニフォームを脱ぎます。

努力する姿を見てきたので、思い入れがあり寂しい気持ちもありますが・・・
次のステージでも、がんばっていって欲しいなと願っています。

そして、別れがあれば出会いもあります。
こちらも毎年のことですが、新人選手が加入してきます。
活躍が期待される選手たちなので、まずは基礎からしっかりと指導していきたいと思います。

そしてそして、引き続きの選手たちも含めてパフォーマンスアップに、年間を通して怪我をしないように、身体づくりを通して全力でサポートしていきます!

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首(前後)の筋肉を知る

首には大小様々な筋肉があり、その構造や役割は複雑です。
※かなり専門的な内容になりますので、1つ1つ説明することは控えます

今回は「前後の動き(首の上げ下げ)」に関わる代表的な筋肉について説明します。

まず、首を前(うつむく=首を下げる)に動かす筋肉として「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」があります。

骨”骨”(いずれも胸の前にある骨)から始まり、起(後頭部)”で終わるです。
聞き慣れない名前かも知れませんが、首の側面にある筋肉で、その存在は知っていると思います

「胸鎖乳突筋」は首を前に曲げる(屈曲)という役割だけでなく、横に傾けたり(側屈)、逆側に捻る(回旋)時にも働いています。
そして、後ろに反らす(伸展)時にも補助的に働いており、首の多様な動きに関与している筋肉です。

↓ 胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から 乳様突起(後頭部)に向かって付いています ↓

次に、首を後ろ(見上げる=首を上げる)に動かす筋肉としては「板状筋(ばんじょうきん)」があります。
※厳密には「頭板状筋」と「頚板状筋」に分けることができます

こちらも聞き馴染みのない筋肉名だと思いますが、首が凝っていたり、ハリを感じる時にマッサージしたくなる部位ではないでしょうか。

「板状筋」は胸椎(胸の背骨)から始まり、後頭部および頚椎(首の背骨)で終わる筋肉です。
その働きは首を後ろに反らす(伸展)、横に傾ける(側屈)、同じ側に捻る(回旋)と、「胸鎖乳突筋」と同じく様々な動きに関わっています。

↓ 下図の左側にあるのが板状筋です ↓

そして、首を後ろに動かす筋肉は他にもあります。

頚部の深層筋として「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」や「半棘筋(はんきょくきん)」など、表層筋として「僧帽筋(そうぼうきん)」や「脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきんぐん)」などもこの動きに関与しています。
※上図の右側に各筋肉を示していますが、細かい説明はマニアックなので割愛させていただきます

首まわりの筋肉は、呼吸の補助筋(サブ)としての役割を担っているものが多いです。
なので、キツくなって呼吸が乱れている時には、これらの筋肉もたくさん働いています。

結果として、追い込んだ時やロング走をした時などには、首まわりが強ばったり、頭痛が出たりするケースが増えます。
走る強度が高かった時には、特に丁寧にストレッチをするようにしましょう!

首の前部(胸鎖乳突筋)のセルフストレッチ

① 鎖骨の少し下に両手を当てて、背筋を伸ばします

チェックポイント

  • 左右の鎖骨の間(中央)に両手を当てるようにしましょう
  • 両手を当てる強さは優しく添える程度にしておきましょう
  • 背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、目線は正面を見るようにしましょう

② 両手で鎖骨を少し下に押さえながら、天井を見上げます

チェックポイント

  • 首を上げる動きは軽めにし、後ろ側で詰まり感がないようにしましょう
  • 鎖骨の押さえ具合でストレッチ感を調整し、ゆったりした呼吸を行いましょう
  • 20秒間ほど止めたら元に戻し、3回を目安に繰り返しましょう

首の後部(板状筋)のセルフストレッチ

① 頭の後ろで両手を組んで肘を締め、背筋を伸ばします

チェックポイント

  • 肩はリラックスをして、力みがない状態にしましょう
  • 両手を組む強さは優しく後頭部を包み込む程度にしましょう
  • 背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、目線は正面を見るようにしましょう

② おへそを覗き込むように、首を軽く丸め込みます

チェックポイント

  • 首を丸める動きは軽めにし、強く引っ張らないようにしましょう
  • 喉元が窮屈にならないように気をつけながら、ゆったりと呼吸をしましょう
  • 20秒間ほど止めたら元に戻し、3回を目安に繰り返しましょう

まとめ

今回ご紹介した「首の前後(胸鎖乳突筋、板状筋)」のストレッチはいかがだったでしょうか?

首まわりは神経が多く通っており、非常に繊細な部位です。
そのため、強くストレッチをすることは色々なリスクが高くなるので気をつけましょう。

前後のいずれを伸ばす場合でも、手で押さえている部位でストレッチ感を調整するようにして、首をグッと強引に引っ張ることのないようにしてください。

そして、首まわりが強ばりやすい、いつの間にか力んでしまっている・・・という方は走る以前に“姿勢が崩れている”可能性が高いです。

頭は体重の10~15%程度の重さがあると言われています。
背骨の延長線上から頭の位置がズレるほど、支えるための負担が増していきます。

肩や首まわりの力みを減らすためには、ランニング時の“姿勢”はもちろん、普段の“姿勢”も含めて整えておくことが大切です。

“姿勢”を整えるためのオススメツールが『ストレッチポール』です!

多くの実業団ランナーにも好評で、選手自身が自主的に使ってくれています。
しかし、どんなに便利なツールでも使い方を間違ってしまうと効果は下がります。
最悪の場合、思わぬ不調や予期せぬ怪我に繋がる可能性もあります。

私はストレッチポールの使い方を普及するための“指導者養成セミナー”を10年以上開催してきた実績があります。

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ということで、今回はこれにて終了です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回は【 首(横&捻り)のストレッチ 】の方法とポイントをご紹介します!

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